「歩太の、本当のお母さんが書いた手紙だ。 大きくなったら渡して欲しいって言われていたんだ。 遅くなってしまったけれど、 どうしても、この手紙だけは、直接渡したかった。」 本当のお母さん・・・。 俺を産んでくれた人。 思い出もなくて、 記憶にもなくて、 思い出す事も出来ない人。 でも、俺を産んでくれた人。 封筒を持つ手が震えた。 ゆっくりと開いた手紙には、 優しい文字が並んでいた。 .