父さんが頭を上げると、ずっと黙っていた幸太が、ゆっくりと話し始めた。
「俺の母さんがすみませんでした。
俺、小さかったから、自分の家の事とか、母さんの事とか、全然分かってなくて・・・。
ただ、お兄ちゃんが、急にいなくなった事は、今でもよく覚えてて・・・
母さんが死んだ時、父さんに全て聞いたんです。
最初、すげーショックだったけど・・・
母さんの事も、父さんの事も、すげー恨んだけど・・・
でも、俺にとっては、どっちも大事な親だから・・・。本当にすみませんでした。」
下を向き、唇を噛みしめて涙を流す幸太。
「お前は悪くない。お前が謝る必要なんてないんだよ。
俺、ずっとお前に会いたかったよ。
ありがとな。」
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