予約していただけあって、料理はすぐに運ばれてきた。
昼間っからかなり贅沢なメニュー。
リカのヤツ・・・
見栄張りやがったな・・・?
そんな所が、また愛しくて、嬉しかった。
「食べながら話しませんか?・・・食べて下さいっ!」
言葉を交わさない俺と父親を気遣う様に、リカは明るく振る舞っている。
だから俺も、
「父さん、ビール飲むだろ?」
そう言ってビール瓶を父親に向けた。
「・・・ありがとう。」
少し涙ぐみながら、父親はグラスを傾けた。
初めてする父親へのお酌。
カッコ悪いけど、少し手が震えた。
「幸太も。もう飲める歳だろ?」
「ありがとう。」
俺達が別れた時、幸太はまだ6歳だった。それでも、兄弟なんだって・・・
幸太には、すごく会いたかった。
.