「歩太･･･」
流れた涙が、リカの頬を伝う。
俺は、やっとリカを抱きしめる事が出来た。
震える体に、リカの温かさがしっかりと伝わってくる。
「リカ、ごめん･･･ホントにごめん。」
涙が次々に流れて、上手く喋れない。
伝えたい事、言わないといけない事がたくさんあるのに･･･
「歩太･･･」
「俺が守るから。リカが守ってくれた命、これからは、俺が守るから･･･。
リカも、子供も、絶対に俺が守るから。」
「･･･いいの？」
リカは、震える小さな声でそう言った。
リカから体を離して、まっすぐにリカの目を見つめた。
リカの体は本当に小さい。
でも、赤ちゃんがその存在をしっかりと主張する様に、お腹が膨らんでいた。
リカの右手を握り、左手をそっとリカのお腹に置いた。
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