「こうなって改めて分かったんだ。リカがどれだけ大事かって・・・
アイツが居ないと、時々息の仕方すら分からなくなる。
アイツが今、ひとりで苦しんでいると思うと・・・
怖くて、目が開けれない。

気付くのが遅ぇんだよ・・・

ホント情けないよ・・・」




「あんたの事、ホントにムカつくけど、リカが一番帰りたいのは、あんたの所だから・・・
だから絶対にリカの事、忘れないで!もしリカが戻ってきたら、今度は絶対に、離さないで!」



強く投げられた言葉の中に、彼女がどれ程にリカを想っているのかが、俺には真っ直ぐに伝わる。



俺にはまだ分からない『友情』と言う名の絆。



俺はリカから、それまでも奪ってしまったんだ・・・。



「本当ごめんな。俺、必ずリカに謝るから。許してもらえなくても、この罪は一生かけてでも、償うから・・・。」



俺と沢村の強い視線がぶつかる。



どちらも決して目を逸らさない。





「・・・宝来くんの気持ちは分かった。でも、私はリカの味方だから。」



彼女は最後にそれだけを言うと、静かにその場を去って行った。




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