「リカがどれだけ宝来くんの事を愛していたか分かる?
宝来くんと生きて行く事を、どれだけ望んでいたか・・・分かる?
リカがどんな覚悟で宝来くんから離れたのか、・・・分かるの?」
沢村の言葉が胸に突き刺さる。
いつだって感じていた。
リカの愛は、まっすぐで、暖かくて、とても大きかった。
子供を守る為。
たった19歳の女の子が、自分を犠牲にして、全てを捨ててでも守りたかったもの。
それほどまでに、大切なものを、俺は消してしまおうとした。
小さな命が、どれ程大きいものなのか、今になって分かる。
「必ずリカを見つけるから・・・」
たくさんの想いが胸の中で、渦巻いている。
それを上手く言葉で伝える事は出来ないけど・・・
どんなに責められても、二度と許してもらえないと分かっていても・・・
リカを諦める事だけは出来ない。
.