「残された希望を捨てては行けない」
私は、馬上で、焼ける大地を見据えながら、声を上げた。そして、騎士達を見つめる。
「まだ、生きている命があるかもしれない。守れるモノが必ずあるはずだ!!」
私は震えそうになる声を張り上げ、腰から剣を抜き、掲げた。
「皆、僕達には、守るための剣と、力がある!!」
私の声に、レインや、他の騎士達が息を呑むのが分かった。
そう、私たちには戦うための力がある。
そして、騎士を目指したということは、心のどこかに、誰かを守りたいという気高い心があるはずなんだ。
「その剣を取り、前に進もう!!僕達は、小さな希望も逃してはいけない!!信じて進むんだ!!」
私の声に、騎士達が頷き、声を上げる。
「スイラン王子と共に!!!」
「我らは、この剣にかけて、スイラン王子について行きます!!」
私はそれに頷き、馬から降りる。
これからの道のりは、歩きでなければ進めない。ツング村は建物と建物の間が狭いし、そこに生存者がいても、馬上からでは見逃してしまう。