質問に、ナチュラルに2回目の『響先輩』を混ぜたのはその反応があまりにもおかしかったからだ。

片手で顔の鼻から下を隠して目を逸らした先輩の顔は真っ赤で、生徒会長の威厳はどこにもなかった。
恐る恐るといった風に目線だけこっちへ向けようとしているようだけど、完全に目が合う前にまた慌てたように逃げていく。


純平の笑いがついに爆発して、堪え切れなくなってボクも声をあげて笑ったら、不機嫌だった美紗の顔も緩んだ。

先輩はついに両手で顔を覆って、よろよろと後退り、壁際のソファーに倒れ込むと天を仰いだ。


「あー……くそっ」


顔を覆った手の隙間から、先輩の言葉が漏れる。
意外だな、この人がそんな下品な言葉使うなんて。