「……あ」
無言の抵抗を決め込んでいたボクの視界に、突然純平の手がにゅっと飛び込んできて、弁当箱の隅のアスパラをさらった。
「純平!なおの数少ないお野菜取らないの!」
すかさず美紗のお叱りが飛ぶ。
アスパラを飲み込みながらガチャガチャと音を鳴らして自分の弁当を開いた純平は
「いーじゃねえか。どうせ食わねえよコイツ」
と言いながら、プチトマトとカボチャの煮物をボクの弁当箱の中に放り入れた。
物々交換だ。
「美紗、ホラ、野菜戻って来たよ」
緑の野菜は嫌いだけど、それ以外は食べられる。
特にカボチャは好きだから、美紗に自慢するように見せつけた。
こんなのいつものやり取りなんだけど、不意に抑えた笑い声が聞こえてハッとする。
カボチャにつられて、一瞬先輩の存在を忘れていた。
無言の抵抗を決め込んでいたボクの視界に、突然純平の手がにゅっと飛び込んできて、弁当箱の隅のアスパラをさらった。
「純平!なおの数少ないお野菜取らないの!」
すかさず美紗のお叱りが飛ぶ。
アスパラを飲み込みながらガチャガチャと音を鳴らして自分の弁当を開いた純平は
「いーじゃねえか。どうせ食わねえよコイツ」
と言いながら、プチトマトとカボチャの煮物をボクの弁当箱の中に放り入れた。
物々交換だ。
「美紗、ホラ、野菜戻って来たよ」
緑の野菜は嫌いだけど、それ以外は食べられる。
特にカボチャは好きだから、美紗に自慢するように見せつけた。
こんなのいつものやり取りなんだけど、不意に抑えた笑い声が聞こえてハッとする。
カボチャにつられて、一瞬先輩の存在を忘れていた。