……『な』?


沈黙。

先輩だけじゃなく、「な」の続きを待っているボクも、さっさと奥の机に着いた美紗も、さっきまで苛立ちを露わにしていた純平も、黙った。


「……か、いちょう?」

あ、変なとこで区切っちゃった。
だって今の微妙な間に耐えられなくなっちゃったんだもん!


「あ、いや……下の自動販売機に行くけど、何飲む?」

「え」


……『何飲む?』の『な』?
なんかイマイチ、誤魔化された感が否めないけど。


それより、別にこの人に奢ってもらう理由がない。
断っ……


「私はミルクティー、なおはウーロン茶です。お願いします」

み、美紗?

「了解。――一緒に来て、高岡君」

え、ちょっと……