ドアを開けた正面には、まるで衝立のようにホワイトボードがこちらに背を向けて立っていた。

部外者の入室を阻むように立つそれに若干気後れしつつ、

「あのー……、会長?」

恐る恐るホワイトボードの端から中を覗き込む。
初めて足を踏み入れたその部屋は、他の廊下沿いの教室とは違う横長の造りになっていた。


「どうぞ、入って」


横長の教室の中央には3人掛けの長机が3つコの字型に並べてあり、ホワイトボードは最後の一辺を閉じるような位置に置いてあった。
なるほど壁に備え付けの黒板がないこの部屋では、それが外からの目隠し兼黒板の代用品のようだ。


向かって左側の机の奥の席に、彼は1人で座っていた。