車が進むのに合わせて左右の桜の枝が揺れて、舞い散る花びらが、先を促すように踊った。
「きれい……」
思わず呟いてから、柄じゃなかったな、と先輩の横顔をチラ見する。
その視線に気付いたのか、彼は優しく微笑んだ。
何も言わなくても、彼の隣はとても居心地が良くて安心できた。
ボクが心許せる、素になれる居場所。
美紗や純平の隣とは、少し違う。
時折襲ってくる、心臓をぎゅっと掴まれたみたいな息苦しさは――、痛くて苦くて、けどだからこそ、甘い。
――先輩、好きです。
あなたに会えて、良かった。
一緒に過ごした時間は本当に短かったけど――、想いは、必ずしも時間に比例しないと、ボクは知りました。
来週には遠くに旅立ってしまうあなたとの、最初で最後のドライブ――……。
「きれい……」
思わず呟いてから、柄じゃなかったな、と先輩の横顔をチラ見する。
その視線に気付いたのか、彼は優しく微笑んだ。
何も言わなくても、彼の隣はとても居心地が良くて安心できた。
ボクが心許せる、素になれる居場所。
美紗や純平の隣とは、少し違う。
時折襲ってくる、心臓をぎゅっと掴まれたみたいな息苦しさは――、痛くて苦くて、けどだからこそ、甘い。
――先輩、好きです。
あなたに会えて、良かった。
一緒に過ごした時間は本当に短かったけど――、想いは、必ずしも時間に比例しないと、ボクは知りました。
来週には遠くに旅立ってしまうあなたとの、最初で最後のドライブ――……。