慌てた梶原が邪魔しに入った時にはもう後の祭りで、

「部長自らが最後の大会さっさと負ける気かぁ!」

と叫んだ部員たちから遠慮のない叩く・蹴るの突っ込みが始まった。


止めるべきかとも思ったけど、お互いに楽しそうなので……、放置。

どうやら、随分と仲の良いチームらしい。
まあ、やりやすそうで助かった。


初日にあたるその日、与えられた仕事はと言えばボールの手入れ(拭いたり、空気を入れたり)やドリンクの準備(粉を水道水で溶かすだけ)と、本当にごく簡単なものばかりだ。


「ねえ。本当に人手に困ってたのかよ」

足の怪我が完治してないため他の部員たちが駆け回るフロアを恨めしそうに見学しながら、一緒に隣でボールを拭いていた梶原に聞いてみる。