……続く言葉、入部の動機や抱負みたいなものなんかは当然なくて、ボクは短く紹介を終えた。

すかさず「それだけかよ!?」と梶原が突っ込む。
それを見たバスケ部員たちはどっと笑った。

どうやら歓迎ムードであることを感じ取り、ホッと息を吐いた。
人前に出され、柄にもなく緊張していたみたいだ。


「この半端な時期に、マネージャーよくつかまったな!」


わっと騒ぎ立てた2年部員たちから、「岸本、なんて言って騙された!?」「カジに弱みでも握られてんのか?」と質問攻めを食らう。

騙されたかどうかはやってみないと分かんないけど、と前置きして

「えっと、梶原が挙げたバスケ部のセールスポイントはね……」

指折り数えながら答えていく。


「ひとつ、卒アルの部活写真に載れる。ひとつ、先輩がいないから楽。ひとつ、部室が自由に使える。ひとつ、どうせすぐ引退……」

「おい岸本っ! 最後のは言うなやー!」