ビクッと肩を震わせた女の子の反応で、ボクには聞こえてこないが梶原が小声で何か言ったのだと分かる。
梶原はさらに、彼女の髪をすくって耳にかけながら、また耳元に口を寄せて何か囁いた。


なんか、……画的にめちゃくちゃエロいんですけど!


「ちょ、梶原……」

さすがに止めようと思って声をかけたのとほぼ同時、梶原の腕の下から抜け出した彼女は、ボクに向かってペコリと一礼してから走り去っていった。
――顔を真っ赤に上気させたまま。


「……なんか、お前エロい」

その場に残った梶原に率直に感想を言えば、彼はヘラリと軽く肩を竦めてみせた。


「健全な異性交遊へナビゲートしただけだけどー?」

と楽しげに笑いながら。