「好きだよ」

言ってしまってから、ああ、間違えたと思った。

そうじゃない。
言葉が、足りな過ぎる。


「ええと――、男として、じゃなくてさ。友達としてね。……親友。そう、親友だと思ってる」


たどたどしく自分の気持ちを確認しながら言葉を紡ぎ、頬に触れた純平の手に、自分の手を重ねる。


「ボクは、しばらく美紗とは話せない。話したく、ない。だから一緒にはいられなくなるけど……、純平のことは、好きだから」

「ん、な、こと……」

「美紗と、上手くいくように祈ってる」


本当に。
純平が幸せになれるように。


「大事にしてあげてね、あの子を。――ボクの代わりに、ボクの分も」