ねえ、美紗。
ボクは、邪魔モノなの?

美紗はボクのことが、怖いの……?


「別に好きじゃない。嫌いでもないけど」


掴んできた純平の手を振り払いながら口にした言葉は、随分ぶっきらぼうな言い方になってしまった。
なのに怯むことなく、美紗は質問を重ねてくる。


「じゃあ付き合うの?」

……なんでそうなるんだよ!


ひどくむしゃくしゃした。
だからだ。
こんなこと、普段ならわざわざ聞くこともない。

「美紗はボクのこと好き?」

「……ッ!」


質問の内容にか、聞き方にか、それともボクの表情にか。
脅えた目でボクを見上げてくる美紗は、小さくて可愛い小動物みたいで。


無性に、もっといじめたくなった。


「好き、だけど」

だけど、……何ナノ?
畳み掛けるように質問してきた、さっきの仕返しだよ。


「じゃ、純平のことは?」

「……好き、だけど」