「純平は美紗を守るために1人で奴らに立ち向かって、傷だらけになって戦って」

恐竜のお腹の入口に手をかけて、中を覗きこむ。


「ボクは美紗を守るために身体はって、アイツの代わりに殴られた」

薄暗くなり始めたその空間に、身をかがめて滑り込んだ。
入口に立ったままの純平の顔は、暗くて、見えない。


「ボクはあの時から美紗が嫌いだったよ」


何かを言いかけて息を吸い込んだ純平の言葉を塞ぐように畳みかける。


「大好きな純平がボクより大事に扱う美紗が。自分のせいで純平が怪我しても平然としてる美紗が」