消えていく最後の紅い光に照らされて純平の顔もよく見えたし、この一瞬を共有できただけで満足だ。

いい加減体勢もキツイし、――すうっと太陽が山の向こうに消えてしまったと同時、この場所の価値も少しだけ薄れていく。


「お先!」

短く告げて、するすると恐竜の肩先まで下がってから砂場へ飛び降りた。

「いつまでそんなトコにいるの?」

ニヤリと口角を上げて上を仰ぎ見れば、彼も一瞬でボクの横に降り立つ。

「お前が誘ったクセに、えらい言いようだな」

前髪をくしゃりとかき上げながらジトッとした目で睨んでくる純平が、口ほどにも腹を立てていないことはボクには分かり切っているのに。


「ブランコ、する?」

「しねぇよ馬ー鹿」


大きなため息を吐き出しながら、彼は長年そうしてきたように、またボクの頭をぐしゃぐしゃに乱した。