「弱みにつけこんで襲うんじゃないわよ、猿」

……はあああ!?


「オレっちをチビ扱いするような女は襲いません!」

「手負いのチビに押し倒されるほど弱くありません!」


同時に叫んだボクたちに向け、後ろ手にヒラヒラと手を振りながら、そのあまりにも先生らしくない保健室の主は鼻歌を歌いながら去って行った。
思っていた以上に、強烈で適当な人だった。


「さてと。始めようか、子羊ちゃん」


松葉杖を立てかけて不自由な足でベッドによじ登り、枕を背もたれにして寄りかかり楽なポジションを取った梶原は、まるで入院患者みたいに見えた。

そして彼は、不敵に笑った。