おねーちゃん先生――涼子先生は、「まったく」と肩を竦めただけで、あっさりと書類を作成した。
そんなもの?
簡単すぎやしないか、いや適当すぎると言うか。
だけど、彼女が次に発した言葉はガツンと脳天に衝撃を与えた。
「岸本、直さんね。――緊急事態みたいだから、特別に許します」
……緊急事態。
そう見えるような顔を、ボクはしているのか。
梶原が顔を見ただけで『何かあったか』と聞いてきたのも、ボクの顔がそんなにヒドイからなんだろうか。
「うん、そういうワケだから涼子ちゃん。しばらくこの部屋借りていい?」
「はいはい、職員室にいるからね。【本物の】利用者が来たら、すぐに呼びに来なさいよ」
そう言って保健室から去りかけた彼女はドアの手前で立ち止まると、にやりと笑って振り向いた。
そんなもの?
簡単すぎやしないか、いや適当すぎると言うか。
だけど、彼女が次に発した言葉はガツンと脳天に衝撃を与えた。
「岸本、直さんね。――緊急事態みたいだから、特別に許します」
……緊急事態。
そう見えるような顔を、ボクはしているのか。
梶原が顔を見ただけで『何かあったか』と聞いてきたのも、ボクの顔がそんなにヒドイからなんだろうか。
「うん、そういうワケだから涼子ちゃん。しばらくこの部屋借りていい?」
「はいはい、職員室にいるからね。【本物の】利用者が来たら、すぐに呼びに来なさいよ」
そう言って保健室から去りかけた彼女はドアの手前で立ち止まると、にやりと笑って振り向いた。