「あー……、なんか、返事はいい、みたいな?」


2人のアレを目撃したことと、生徒会長の件は全く無関係だ。
ボクは聞かれたことに対して、正しく答えたと思う。

けど、「なんだそれ」と純平が突っ込んで、美紗は顔をしかめた。
ボクだって会長の意図なんかよく分からないのに、それを聞かれたところで説明なんかできるわけがない。


「あの後すぐに断らなかったの?」

「ああ……うん」


だって断る前に、返事はしないでって言われたんだ。
だから断ってない。
承諾もしてないが。

でも。


――『返事は【まだ】しないで』――


つまりそれは、いつかは、返事をしないといけないってことだ。
それがいつなのか、ボクには分からないけど。