早歩きを通り越した小走りで、いつもより大分早い時間にボクは正門を通過した。
周囲に見向きもせずにぐるぐると考えを巡らせていたボクの意識を唐突に現実に引き戻したのは
「生徒会長!」
誰かがその人に呼びかけた声――、その単語だった。
……響、先輩が、学校に?
『誰かに相談したくなったら――、アイツに頼るといいよ』
『正しい答えは、本人たちにしか出せない。大事なのは、北極星を見失わないことだ』
視線を向けた先にいた人は、【生徒会長】違いだった。
ギプスが外れてもなお仰々しいサポーターと松葉杖で片足を引きずる、猿顔のチビだった。
周囲に見向きもせずにぐるぐると考えを巡らせていたボクの意識を唐突に現実に引き戻したのは
「生徒会長!」
誰かがその人に呼びかけた声――、その単語だった。
……響、先輩が、学校に?
『誰かに相談したくなったら――、アイツに頼るといいよ』
『正しい答えは、本人たちにしか出せない。大事なのは、北極星を見失わないことだ』
視線を向けた先にいた人は、【生徒会長】違いだった。
ギプスが外れてもなお仰々しいサポーターと松葉杖で片足を引きずる、猿顔のチビだった。