自然に学校へ向けて歩を進めていた足が、止まった。
3歩先に進んだ純平が、それに気付いて立ち止まり振り返る。


「驚いた?」

その言い方とニヤニヤが、とても気に障った。


でも、どうせそれは、ボクが『純平のことが好き』だと言ったあれの。

「……昨日の仕返しなんだろ?」

そう易々と騙されてなるものか。
疑いどころか、確信をもってそう問いかける。


大股2歩でボクのところまで戻ってきた純平は悪戯っ子のような笑いを浮かべていたけれど

「事実です」

はっきりと、そう言い切った。


ー―嘘ではないと、確信が持てる目だった。