「まぁそれはいいや。で、ボクがいないと、違う雰囲気になる?」

『ならねぇっつってんだろ! お前がいる時と、なんも変わらねえよ』

暗くなる前に話を変えようとすれば、ムキになった返事。
面白いから、ちょっと突いてみたくなった。


「なんかちょっとムラッとしたりとかさー……」

『するかッ! お前マジで、今のは女の発言か!? ……いや、まあ、百歩譲ってムラッとしたとしよう』

「……したんだね、純平」

『最後まで聞け、殺すぞ!』


軽快な言い合いが続いていたはずなのに、次の純平の一言で、ボクの思考は一瞬途切れた。


『――そこで手ぇ出したら、もう終わりなんだよ』