――そうか、そうなんだ。
スッキリした。
そういうことだったんだね。

ボクは難しく考えすぎたのかもしれない。
答えはものすごく、シンプルだったのに。


「純平」

『……あ?』

「嘘だからね」

『――ッ!!』


反射的に、携帯を耳から20センチばかり離した。


『てめっ!! マジで、1回死ねッ!!』

その距離でも、純平が張り上げた罵声は十分にボクの耳を襲った。

「あはは!! いいじゃない。ボクのファーストキスを奪った罰だよ」


だからこれで、許してやるよ。
ボクはこれからも、ずっと純平の友達でいられると分かったから。


――美紗がボクを好きでも、ボクが変わる必要はないのだと、教えてくれたから。