少女マンガの主人公どころか少年漫画のヒロインだって、こういう時には涙で枕を濡らしたり眠れない夜を過ごすんじゃないのか?

良く寝た、を通り越し寝過ぎて逆にはっきりしない頭を押えながら、時間を確認しようと携帯を見る。
アラームの設定時間の5分前だった。
我ながら素晴らしい体内時計。
笑える。

腹、減ったな……。
そっか、晩飯も食わずに寝たからだ。
……笑える。

洗面所の鏡に映った自分の顔は、いつも通り。
いや、風呂に入ってないからか、いつもより少しだけ寝グセがひどい。
余計、笑える。

熱いシャワーを浴びる。
浴室は冷えていて床が冷たいのに、お湯は熱すぎた。
熱いのか冷たいのか、感覚が麻痺する。
くしゃみが出て気付く。
ああ、寒かったのか。

短すぎる髪は、タオルでガシガシふいただけで乾いた。
用意しかけたドライヤーのスイッチを入れずに、コンセントを抜いた。


なんでこんなに、全てが滑稽なんだろう。