ただ頭の中で、ぐるぐると何度もリフレインしている。
部室棟の裏で見た光景と、それにかぶせるような短いコトバが。


泣きながら純平の胸にすがっていた美紗。
美紗を抱きしめて頭を撫でていた純平。


『ナンデ』
『ドウシテ』


そのフレーズの後に続く疑問は空っぽで、思考は全く追いつかないというのに。
頭の片隅で、冷静なボクが、動揺したボクを嘲笑うように小さく囁いた。


――ああ、やっぱりね。
その内いつかは、こうなると思ってたんだ――。






ボクの中の大切な何かが






コワレテシマッタ。