ウチは1人っ子だからな。
そのあたりは、全然違う感覚なのかもしれない。


「いっぱいいる割に、僕以外全員女なんだよね」

「……うわぁー……、それはなんか……」

「――そんな、憐れんだ目で見ないでよ」

と、先輩は苦笑した。


女3人かぁ。
めんどくさそ、と思いつつ――、なんか、そう言われて改めて先輩を見ると納得してしまう。


「そっか。だから先輩、そんなに懐深いんですねー」

うんうんと何度も頷きながらボクがそう言うと、先輩は丸く見開いた目をぱちぱちさせる。


「っ、コーヒー、淹れて来ます!」

あからさまな褒め言葉を思わず言ってしまったことに気付いて、部屋から飛び出した。