キリの良いところまで化学の授業を進めたあと、

「少し、休憩する?」

と先輩が提案した。

驚いた。
美紗先生から休憩を提案されたことはない(まあ、大体その前に純平かボクが音を上げるからだが)。


「する!」

先輩が持ってきてくれたケーキを思い出し、勢いよく立ち上がる。

飲み物はコーヒーで良いかと確認しようとしたら、何故か、先輩も一緒に立ち上がっていた。


「あ、持ってくるんで、ここでのんびりしててください。暇だったら適当に漫画でも読んでていいから」

本棚にびっしり並んだ少年漫画を指しながらそう言うと、不思議そうな顔で「え?」と聞き返される。


「ここで休憩? おかあさんと一緒にお茶タイム、しなくていいの?」


……したいんですかっ!
あなたは!!