「えっ? なお、どうし……――」

思わず頭を抱え込んだボクを、本気で心配した先輩が覗きこもうと近寄る気配。


うわぁ、近い、近い、それ以上は……って、
何興奮してんだ!
エロスに目覚めたばかりの青少年かっ!


「……大丈夫、ちょっと自己嫌悪」

「何かあった?」

「そうじゃ……」

先輩が心配しているようなことは、何も(多分)。


適当に誤魔化し、引き留めようとする先輩の言葉を振り切って、

「何か飲み物取ってきます」

とそそくさと部屋を出た。


ああ、頭冷やそう。
完全に立場が逆だ。
百歩譲っておかしな雰囲気になるとしたら、ボクじゃなくて先輩の方じゃなきゃおかしいだろ。

だって先輩男だし、惚れてるのも先輩の方だし、部屋で2人き――……って、馬鹿ーーーーッ!!