初めて見る彼の鎖骨に、無意識に視線を送っていた自分に気が付いた。

……や・ば・い・だ・ろ。
変態かっ!

カッと熱を帯びた顔を隠して、慌ててベッドに転がっているクッションに手を伸ばす。


「このちっさいテーブルでもいいですか? 座布団とか座椅子とかないんで、コレ使ってください」

先輩はぱちぱちと目を瞬き、

「机じゃなくていいの?」

と逆に聞いてくる。


それも考えたんですけどね、想像上あまりにも構図が不自然だったんですよ。
ともなんだか言えず、曖昧に誤魔化して笑った。
ヘラッて擬音が付くような、間抜けな顔になった気がする。


そんなボクの(多分間抜けな)顔をじっと見ながら、先輩の表情は、何故かすっと真剣味を帯びていった。