どんなにお互いの気持ちが揺れていても、14年で築き上げてきた習慣はそう簡単になくなるものではない。
昼休みは理由を付けて別行動を取れたけど、結局ボクらは一緒に下校するのだろうと思っていた。
なのに。
「なお、俺たちこのまま図書室行きだから」
SHRが終わった後、純平は短くそう言ってきた。
――そうか、バレンタインも終わったし。
わざわざ追っかけから逃げて、場所を変えて勉強会をする必要はなくなったんだ。
2人は当然美紗の家か図書館へ向かうのだと思い込んでいた。
気まずい帰り道を予想して身構えていたボクにとっては、一緒に帰らない、というのは肩透かしだった。
「そっか。じゃあ、ボクは帰るね」
目を合わせずに荷物をまとめる。
「……また、月曜日に」
後ろから遠慮がちな美紗の声が聞こえたけど、振り返らずに「じゃあね」と告げて教室を後にした。
昼休みは理由を付けて別行動を取れたけど、結局ボクらは一緒に下校するのだろうと思っていた。
なのに。
「なお、俺たちこのまま図書室行きだから」
SHRが終わった後、純平は短くそう言ってきた。
――そうか、バレンタインも終わったし。
わざわざ追っかけから逃げて、場所を変えて勉強会をする必要はなくなったんだ。
2人は当然美紗の家か図書館へ向かうのだと思い込んでいた。
気まずい帰り道を予想して身構えていたボクにとっては、一緒に帰らない、というのは肩透かしだった。
「そっか。じゃあ、ボクは帰るね」
目を合わせずに荷物をまとめる。
「……また、月曜日に」
後ろから遠慮がちな美紗の声が聞こえたけど、振り返らずに「じゃあね」と告げて教室を後にした。