「多分2人共、サッカー部の部室らへんにいると思います」

外に出ると、正門に背を向け部室棟へ向かう。
既に部活が終わり解散したばかりらしいサッカー部員何人かと、途中ですれ違った。


ああ、もう終わってる。
ちゃんと待っててくれてるかな。
まさか勝手に先に帰ったりはしないと思うけど、少しだけ不安になる。


……ボクが会長と一緒に現れたら、あの2人どう思うんだろう。


ぐるぐると考えている内に、部室棟の前に着いたが。

「あれ――……」

いない。
まさか、本当に置いてかれた?


「……先に帰っちゃった?」

隣に並んで立ち止まった先輩が、ボクを見下ろしながら声をかけてくる。
見下ろされるのにすら慣れてない自分が、少しだけ滑稽だ。


「う、裏、見てきます!」