「ねえ……私たち」

切れ切れの言葉を補足するように、『私たち』がボクら【3人】を指していることを強調しながら彼女は続ける。


「友達、よね……?」

「当たり前だ」

間髪入れずに、前を歩く純平が振り返らずにそう答えた。


「勝手に友達やめるな」

強い言葉だった。

振り返らないその大きな背中は、だけど、わずかに震えている。


彼は今、どうなっているのだろう。
『フラれてもいないし、フッてもいない』――美紗の、その言葉の後半が意味するところは。