泣いたら目が腫れる。
そんな簡単なことを、ボクは本当の意味では分かっていなかった。
だから、重くゴワゴワと違和感を発する瞼を擦りながら洗面所に立った瞬間、鏡の中の見知らぬ人を見て情けない悲鳴を上げてしまった。
「なおっ!? どうし……」
声を聞きつけた母が駆け込んできて、絶句する。
「あんた……あんなに泣いてたのに、目冷やさなかったの?」
ボクの顔を見るなり、母は呆れたようにそう言った。
……『あんなに泣いてたのに』って。
知ってたのかよ。
イラッとして横目に睨みつけたつもりが、眼球の移動に合わせて腫れて強張った瞼が引きつった。
うわぁ、コレは怖さ倍増かもしれない。
そんな簡単なことを、ボクは本当の意味では分かっていなかった。
だから、重くゴワゴワと違和感を発する瞼を擦りながら洗面所に立った瞬間、鏡の中の見知らぬ人を見て情けない悲鳴を上げてしまった。
「なおっ!? どうし……」
声を聞きつけた母が駆け込んできて、絶句する。
「あんた……あんなに泣いてたのに、目冷やさなかったの?」
ボクの顔を見るなり、母は呆れたようにそう言った。
……『あんなに泣いてたのに』って。
知ってたのかよ。
イラッとして横目に睨みつけたつもりが、眼球の移動に合わせて腫れて強張った瞼が引きつった。
うわぁ、コレは怖さ倍増かもしれない。