ようやく金縛りが解けたように身体が自由を取り戻した瞬間、ボクは――、


弾けたように、先輩の手の下から自分の手を引き抜いた。


何、血迷ってんだ。
今日初めて口を聞いた得体も知れない相手に告白されて、いくら相手が学校一モテる男だからって浮かれるようなキャラか。

手なんか握らせて、抵抗もしないなんてどうかしてる。


ハッとしたように先輩も手を引くと、小さく「ごめん」と呟いた。


「あの……」

「返事はまだしないで」


ボクの言葉を遮った先輩は、現れた時と同じように優しく笑った。
一瞬見せた傷ついたような表情は、その笑顔の下にすぐに隠された。


「ごめん、改めてここからは、生徒会としての話だ。明日から昼休み、君たちに生徒会室を開放するよ」