言葉は、心を抉る、最強の凶器だ。


ボクだって、聞きたい。
なんで、ボクなんだと。


美紗の相手が純平ならば、3人の関係が変わってしまっても壊れることはなかった。
ボクは疎外感を感じたり自分が邪魔者だって悩んだり変わってしまう3人の関係を悲しんだりはするだろうけど、それでも祝福くらいは出来たはずだ。

純平じゃなかったとしても、ボク以外の誰かだったら。
ボクは純平を慰めてやれた、笑わせてやれた、そばにいてやれた……そうするつもり、だった。
美紗の恋だってその内、応援してやれるようになっていたかもしれない。
ボクらは、友達のままでいられた。


なのに。
なんで、ボクなんだ。


誰かのせいに出来るなら、その誰かを、この最悪の武器を以て粉々に破壊したい。
今の純平にとって、その【誰か】とは、つまりボクなのだ。


分かっている、誰のせいでもない。
本当は誰も、悪くない。


そんなことは、純平だって分かっているはずなんだ。
それでも、破壊衝動が収まらない。