「ホント、――笑えねえな」

吐き捨てるように呟いた純平の言葉が、心に刺さった。


ソファを軋ませて仰向けに寝転がった顔に日差しが直撃すると、彼は眩しそうに目を細める。
立ち上がってカーテンを閉めてやったが、純平はそのまま目を開けなかった。


「――んで……」


遮光でもない薄いカーテンでは防ぎきれない明かりの下、その光から逃げるように右腕を顔の前にかざしたまま、純平は小さな声を絞り出す。


小さな、小さな声だったから分かった。
抑えきれずに溢れ出してきた、それは彼の、心からの叫びだ。
それでも彼は、ギリギリまでその言葉を抑えこもうとしていた。
ボクに、聞かせないために。


出来ることなら聞きたくなかった。
聞き取れないくらい、小さな声であって欲しい――。
だけどそんな願いは、叶わない。


「なんで、お前なんだよ」