立っていることすら危うい状態だったようで、急に強い力で肩を引かれたボクは、そのままバランスを崩して倒れかかった。
何かにぶつかって、ようやく自分がどこにいるのかを思い出す。
「どうした? もう予鈴鳴ったぞ」
ボクの身体を支えるように受け止めたのは、純平だった。
耳元で声が聞こえて、首を捻るとすぐそこに顔がある。
ボクを抱きとめた彼の胸板を背中に感じて、支えるように腰にまわった手にゆっくりと視線を移した。
「美紗は」
先に行ったのか、という質問が、途中で途切れた。
「お前……、ソレ」
ソレ、が何を指しているのか分からなくて、もう一度後ろに顔を向ける。
純平の視線がボクの右手一点に注がれていることに、その時気が付いた。
ああ――、【コレ】か。
何かにぶつかって、ようやく自分がどこにいるのかを思い出す。
「どうした? もう予鈴鳴ったぞ」
ボクの身体を支えるように受け止めたのは、純平だった。
耳元で声が聞こえて、首を捻るとすぐそこに顔がある。
ボクを抱きとめた彼の胸板を背中に感じて、支えるように腰にまわった手にゆっくりと視線を移した。
「美紗は」
先に行ったのか、という質問が、途中で途切れた。
「お前……、ソレ」
ソレ、が何を指しているのか分からなくて、もう一度後ろに顔を向ける。
純平の視線がボクの右手一点に注がれていることに、その時気が付いた。
ああ――、【コレ】か。