いつの間にかそれが当たり前だと――、ここが自分の居場所だと、ボクは思い込んでいたんだ。


ボクを頼ってくれる美紗を、ボクが守ってやりたいと。
彼女が傷つかないように、壊れないようにと。


ずっと昔からその裏側に存在した、【壊したい】という気持ちにフタをした。


表裏一体の【嫌い】と【好き】の片側だけを見ないフリしたから、【好き】だけが、強く強くあり続けた。


本当はずっと嫌いだった。
大嫌いだった。


今でも――、こんなに大好き、なのに。