思ってもいなかった方向から飛んできた強烈な不意打ちは、ボクの脳ミソに尋常じゃない衝撃を与える。

会話の流れを突然断ち切ってぶち込まれたその言葉が自然につながるように、美紗は「だからこうしてチョコをもらえるなんて本当に嬉しい」というようなことを付け足したけれど、


今彼女が真に伝えたかったことは、その喜びではない――、少なくともボクは、そう感じた。


「何、ソレ」

片言で聞き返す。
だけど、聞いてはならないと――、頭の中には、うるさく警鐘が鳴り響く。


純平がかじったクッキーの欠片がポロリと落ち、響先輩は言葉の意味を咀嚼するようにコーヒーをすすった。


「なおは昔から、純平がお気に入りだったから」