無意識に顔が強張る。
ボクの表情の変化を追究と捉えたのか、純平は今度は分かりやすく肩を竦めて首を傾げた。


……どういうことだ?


「先に食べていたら、お仕置きするところですよ」

意地悪そうにそう言いながら席へと向かう美紗の様子には、全く変わったところが見当たらなかった。


肩透かしを食らったのは純平とボクだけではなく先輩も同様なようで、彼はボクたちの顔に答えを探すかのように順番に見渡した。

だけどどんなに探したところで、恐らくその【答え】は、美紗の中にしかないのだ。
そして彼女は、行動に出るギリギリの瞬間まで、決して外に出さないだろう。


ボクたちが勝手に、その【時】を読み間違ったのだ。