重苦しい沈黙が流れる。
美紗と純平はまだ帰ってこないのだろうか。


2人が戻ってきたら――、

それはそれで、考えたくない未来なのだけど。


息苦しい雰囲気の中でボクが弁当箱を片付け始めると、先輩はわざとらしく立ち上がって伸びをしてから「そう言えば」と明るい声を出す。
この雰囲気を打破しようとしてくれているのだとは、すぐに分かった。


「試験勉強は、どう?」


……うーん。
話をすり替えるにしても、別の話題が良かった。

なんて、贅沢は言える立場じゃない。
何しろボクたちはお互いを知らな過ぎて、共通の話題なんて、それ以外にはないようなものなんだから。