「で、残りはどうするつもりなの?」

残り?
……って、クマ以外の、皆に持っていく分か。


「タッパー」

「……やっぱり」

母はがっくりと肩を落とした。

何故だ。
皆でつまむんだから、それでいいと思うんだけど。


だけどボクの母は、意外と【デキる】女らしい。

「そんなことだと思って」

と言いながら出してきたのは、やたらファンシーなショップの袋に入った――、

「何これ?」

「使いなさい」

アイボリーの正方形の箱、だった。
フタと本体の間にブラウンのラインが1本見えるのがカッコいい、クッキーボックスだった。


「母さん、なかなかやるね」

褒めたつもりなのに、何故か、小突かれた。