ふわって、周りの空気を巻き込んで、その人は笑った。
ボクの何だか解らない変な緊張が、ちょっとだけ和らいだ……ような気がする。


「181センチ」

その柔らかい声を聞いたら、まるで魔法がかかったみたいに、ストンと。
ボクは、気が付いたら椅子に座っていた。

ボクが座ったのを確認したからか、生徒会長もようやく腰を下ろしす。
そして彼は、ゆっくりと話し始めた。


「……一昨日、君のところへ行った、1年生のことなんだけど」


――ああ、随分穏やかな話し方をするんだな、この人。

て、先輩の声があんまり静かで小さいから。
純平よりちょっと低いその声を、ボクは黙って聞いた。


話はまるで他人事のようで、ただその声だけを、空っぽの頭で聞いていた。