余計なことを考えすぎて疲れた頭が、その瞬間に覚醒した。


コレはボクの、アイデンティティをかけた勝負だ。

ボクが女の子であることの証明――。

ボク自身の、存在意義の確認。


出来上がったものを誰が食べる?
そんなことは、今この瞬間のボクには関係ない。


重要なのは、ボクが人生で初めて、この【イベント】に参加するということだ。

ボク自身が、その覚悟を決めたということだ。
長いこと目を背けてきた事実に、真っ向から立ち向かう覚悟を。