予報に反し曇り空が続いたその日は、下校時にはうっすらとだが、太陽すら顔を出していた。


ボクたちがいつもの分かれ道にさしかかった頃、まだ陽は高かった。
その事実は、いつもよりも早く帰れる今がテストの準備期間中であるということを嫌でも思い出させると同時に、徐々に陽が長くなってきている事実も実感させる。

冬はもう終わりかけていて、もうすぐ、春が来る。


毎年寒さにうんざりしきったこの時期は冬の終わりを切望しているはずなのに、今年に限っては何故か、それを少し淋しく感じた。


もう少しだけ、このまま――……


春が

ううん


明日が、来なければいいのに。