あの1年生の女の子は、生徒会に入るなり響先輩に告白したそうだ。
先輩は断ったけど、生徒会の仕事もあり彼女との関係は良好のまま続き――、そのせいで彼女の周りの1年生を中心に2人が【付き合い始めた】という噂が流れた時に、先輩は慌てて彼女と話し合いを持ったそうなのだけど。
彼女は全く気にする様子なく、その噂が功を奏して女避けになるなら『いくらでも利用してください』と提案したらしい。
「――あわよくば、ね」
話を聞き終えた美紗は小さな舌打ちをした。
正直、誰に対する苛立ちなのかよく分からない。
「したたかだわ、その女」
……どうやら、1年生書記に対する苛立ちのようだ。
「僕が軽率だったと思ってるよ」
この場にいない昔フッた相手のことも気遣う響先輩は、やっぱり、誰に対しても優しい人なんだと思う。
ボクは少しだけ、美紗の舌打ちに同感した。
明確な理由なんて、どこにもないのだけど。
先輩は断ったけど、生徒会の仕事もあり彼女との関係は良好のまま続き――、そのせいで彼女の周りの1年生を中心に2人が【付き合い始めた】という噂が流れた時に、先輩は慌てて彼女と話し合いを持ったそうなのだけど。
彼女は全く気にする様子なく、その噂が功を奏して女避けになるなら『いくらでも利用してください』と提案したらしい。
「――あわよくば、ね」
話を聞き終えた美紗は小さな舌打ちをした。
正直、誰に対する苛立ちなのかよく分からない。
「したたかだわ、その女」
……どうやら、1年生書記に対する苛立ちのようだ。
「僕が軽率だったと思ってるよ」
この場にいない昔フッた相手のことも気遣う響先輩は、やっぱり、誰に対しても優しい人なんだと思う。
ボクは少しだけ、美紗の舌打ちに同感した。
明確な理由なんて、どこにもないのだけど。