『オトコが人まえで泣くんじゃねえ!』


そう、あの時確かに、純平はそう言った。
ボクは女の子なのに。
震えて足が竦んだボクの背中を押すように、バシッと叩いて。


そして彼は、たった1人で背の高い男たちに特攻していった。


ボクは純平に言われた通り、美紗に覆いかぶさって、身体を張って彼女を守った。

背中に一発、鋭い痛みが走った。
あの、男たちが持っていた棒みたいなもので叩かれたのだと、一瞬遅れて悟った。


――コワい。こわい。怖い――